麻縄による女体緊縛。それは、今世紀発現したエロチシズムのひとつの重要な表現形式である。麻縄と女体の肌が織りなすあざといまでの関係は、しばしば強い感銘を人に与える。このことを今世紀初頭に体現した人物がいる。伊藤晴雨― 最後の絵業師と称されるこの人物は、作品の主題を女体責めとし独特の「惨の美」を醸し出す日本絵を数多く残している。緊縛師・千葉曳三は伊藤晴雨が追い求めた女体の「惨の美」に魅入られた男である。たとえば、昨年行われたライブ「紺野霧子 乳房吊りとレズSMの夕べ」では、我々は乳房を麻縄で巻き上げただけの完全な宙吊りを目撃した。どす黒く変色した乳房が誇張された形で発表された写真をみて彼は稀代の極悪緊縛師と揶揄される。しかしライブを見たものはそこに陰惨なものはなにもなかったと一様に言うだろう。彼が表現したいものは女体をいたぶり蔑む形ではなく、女体をいたぶることによって表出する感情の起伏と互いの魂の交流なのだ。同様に晴雨へのオマージュともいうべきライブ「晴雨ふたたび」では、M女彩花とまさに命と命のぶつかりあいともいえる緊縛の美学を表現している。
千葉の縛りを全体的情景としてとらえると叙情的なものだといえるだろう。彼の縛りには一つ一つ言葉がある。縄が女体に向けて優しく話しかけているような縛り、それは他の緊縛師には全くといってみられない千葉曳三独自のものである。千葉は月一回、その叙情の縛りを披露する会を主催している。耽美会と名付けられたその会ではごく限られた会員を集めてM女に様々な責めを施している。時にただ見物に来ただけの女性も場の雰囲気に興され千葉の縛りを受けることもある。耽美会はその会以外に真のマニア向けの作品を制作している。上記ライブを収録した2作品の他、強制浣腸もの、鼻責めものなどマニア垂涎の作品群が用意されている。その作品全てに共通するのは、表層に見られる惨の姿形と内面の叙情であり、それは晴雨によって成された緊縛美の伝統を継承すると同時に千葉本人の資質から生じるもので肉付けされた独自の責めの美学である。
| 紺野霧子「乳房吊りとレズSMの夕べ」 | 定価:\15,000.(税込) |
| 渡瀬彩花「哀艶花」 | 定価:\15,000.(税込) | | 千春「極虐・女体噴水」 | 定価:\20,000.(税込) | | 千春「淫虐・鼻責め地獄」 | 定価:\15,000.(税込) |
| 渡瀬彩花「晴雨ふたたび」 | 定価:\12,000.(税込) |
| | 発売: 耽美会 | | お問い合わせ先 | TEL/FAX0474-32-0937 | | | 〒273船橋郵便局私書箱56号 |
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